鋼の錬金術師53話
この作品の中でも中心的キャラクターでもあるロイ・マスタングの復讐というものに焦点を当てた内容で、親友を殺したホムンクルスのエンヴィーを追い詰めていくものです。
このマスタングの復讐心というものを正当なものとは認めないということが、この作品の根底に流れている大きなテーマのようにも見えます。
描き方によれば、この復讐は見ているものにとっては、一種のカタストロフ的快感を呼び起こすもので、共感すら覚えるものとなるはずです。
明らかに冷酷な殺人鬼を正義の人が追い詰めて自分の手で倒すという展開は、アメリカのヒーローものではよくある展開だと思います。
それを、復讐という心で相手を殺してしまうことは、人として間違っているというようなことを言っているのでしょう。この深いところの一本通ったものが、この作品をアニメを越えた深みのあるものにしているのではないかと思わせます。
もちろん、アニメが深みがないとか言っているわけではないですが、一般的なイメージとしてそう思われているのは事実です。
もちろん、復讐で敵に制裁を与えるということを『よし』としない考えに賛同できない人もいるでしょうが、そんな人も同調させてしまうような、アニメならではのマスタング表情には、実写では難しいものがあるでしょう。
死なない相手を火達磨にし続けるという描写も、善悪というものの逆転や、何処に正しいものがあるのかということを考えさせられるものとなっています。